「追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双」は原作小説になろうで日之浦拓先生が書かれていた作品で、現在はHJ文庫からライトノベルが出版されています。
あらすじ
100の異世界で100の勇者パーティから追放された傭兵エドは、追放されるたびに超強力な「追放スキル」を手に入れ、いつしか最強の存在になっていた! そんなエドは自分が追放された異世界が悲惨な結末を迎えたことを知る。かつて仲間だったエルフの少女ティアを救うため、最強になった彼は全てをやり直して100の異世界を再攻略する!! 2周目チートと超強力スキル×100をフル活用で、100の異世界を無双し直す、強くてニューゲームな異世界冒険譚!
引用:HJ文庫
「追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双」はコミカライズされており、漫画は仁森島司先生が描かれています。
原作の小説になろうやライトノベルは読まず、漫画だけを呼んだ感想になります。
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
漫画1巻を読んだ感想
作品をひとことで表すなら「俺TSUEEEE系」作品です。もはや幾度となく擦られまくってきた異世界転生モノになりますが読んでみるとこれがまた面白い。
漫画の冒頭は主人公であるエドが勇者パーティから追放されるところから物語が始まります。あぁ・・・よくある勇者パーティ追放系で実は主人公は最強でした。
そんな物語かと思いきや、
「条件達成を確認。帰還まで残り10分です」
と謎のアナウンス。エドは「よっしゃああああああああああ」と雄たけびをあげ歓喜します。あれ勇者パーティ追放系とはちょっと違う?主人公が追放されるように行動していた模様。
突然何も無い空間から指南書を取り出し勇者パーティに渡すエド。どうやら次元収納という高度?レア?なスキルっぽい。
指南書の説明をするエド。それを聞いた勇者パーティは謝罪し追放を撤回します。
「なあエド。恥を忍んでもう一度頼む」「俺達とーーー」
「それはもう無理なんですみません」
勇者の言葉を遮り断固拒否するエド。あれ?漫画のこの一コマなんかみたことある。ミームになってなかった?
勇者は「俺達と一緒に冒険してくれないか?」と言おうとしたのかな笑。
そして走り去るエド。帰還まで残り・・・10秒というアナウンスが流れ始め、
「世界転移を実行します」
転移を完了するとなにやらウユニ塩湖みたいな不思議な場所にいくつもの扉が立っている謎空間にいます。
どうやら平穏に雑傭兵暮らしをしていたエドでしたが、突然この不思議空間に召喚されたみたい。ここで主人公の設定が現代の男子高校生がトラックにひかれて異世界転生した。とかいうありきたりな設定ではなく「雑傭兵」で主人公の年齢も20ちょい?といっているので成人しているところに他の作品と違いを感じます。
正直、普通の男子高校生がいきなり異世界に転生して人やら魔物やらをためらいもなくブチのめす作品が多いですが全然共感できないんですよね。だって異世界で強力なスキルがあるとはいえいきなり人や魔物を相手にできますか?無理でしょ。クマとかイノシシを狩猟をしている人たちだって最初は猟銃の引き金を引くことにためらいがあったと思うんですよ。
それがいきなり人や異形の魔物ですよ?ムリムリ。
その点、この作品では「雑傭兵」で成人しているという設定なのでまだ説得力があっていいですね。
さて、話を戻してエドが元いた世界に帰るには異世界の勇者の仲間になり、半年以上行動を共にするか深い信頼を得た状態になってから『追放』される必要があるらしい。
作中でエドが言葉にしていますが、意味がわかりません。神様の考えることは人間にはりかいしがたいものですね。
100年の年月をかけて100の異世界を渡り歩いたエドの前についに元いた世界に帰る扉が現れます。しかしその扉は開きません。
扉を開けるには今まで訪れた異世界への扉を一度だけ開いて再訪し、その世界の結末を確認することで扉が開くようになるようです。
「適当な世界にいってすぐ帰って来りゃいいだけだよな。楽勝じゃね?」
そう浮かれるエドは最初に訪れた世界の扉を選びます。扉の数字を確認するとエドが追放されてから10年が経過しているようです。
懐かしき最初の世界に再訪したエド。そこで目にしたのは魔王軍に全滅されられた町の残骸。廃墟を漁っていたジイさんから魔王軍との戦いで死んだことを告げられます。
ショックを受けるエド。スキル<失せ物狂いの羅針盤(アカシックコンパス)>を発動し、勇者アレクシスと武僧ゴンゾの死んだ場所を捜します。スキルが魔王城のある方を示したことで本当に勇者が死んでしまったことを確信します。
最後にルナリーティアの死んだ場所を捜すと「該当なし」とスキルが示し、まだ仲間の一人は生きていることが判明!
エドは100の異世界を渡り歩いて手に入れたスキルと使用し、物凄い勢いでルナリーティアのもとへ駆けつけます。このシーン主人公がめちゃくちゃっぷりに笑いました。
突然ですがマトリックスという映画作品はご存知でしょうか。マトリックス2で主人公のネオがトリニティを助けるために高速飛行をするシーンがあるのですが、あのシーンに似ています。
それを考えるとこの主人公、たぶんマッハ4ぐらいの速度で走ってます。マッハ4てどれほどのスピードかというと100mを0.07秒で駆け抜けてしまいます。ウサイン・ボルトなんて目じゃないです。42.195kmのフルマラソンだってだいたい31秒くらいで走っちゃいます。
そんでそんな速度で1時間以上走っている?から…距離にすると15万km以上移動してね?15万km以上って地球4~5週できる距離です。この世界広すぎない?
そしてルナリーティア(以降、ティア)がいる家へとたどり着いたエド。家の中に入るとーーー
「そこにいるのは誰?」
と見開きドアップでとても美しく可憐で完璧で究極な宇宙一の美少女的エルフが!!
ちょっとまって!ちょっとまって!
ティアめちゃくちゃかわいい!仁森島司先生の作画力が光ってます!まさに絶世の美女!好き!
泣いて再開を喜ぶティア。かわいい。
なんやかんやあって、エドが勇者パーティと別れた後の事の顛末をティアから聞かされます。
魔王の領域で大軍に囲まれた勇者パーティでしたが、勇者アレクシスを逃すために鎧に一つだけ仕込んでいた転移結晶をティアに使用してティアだけが生き残ったということでした。
勇者パーティ追放ものの作品って勇者がクズで下衆なパターンが多いんだけど、この作品の勇者はちゃんと勇者していますね。たぶんこの勇者アレクシスってすげーいい奴だと思う。
城に転移したティアは王様に何があったかを話します。「世界の未来」と「仲間の命」を天秤にかけて後者を選んだ勇者。勇者としては間違った判断でした。
勇者が死に、仲間のティアだけが生き残っていると知られればティアが民衆から避難されるのは目に見えています。王様はティアを辺境に身を隠し、勇者パーティは全滅したことにすることに決めます。
勇者アレクシスは王様の息子で、ティアを責めることせず息子の最後の意思を尊重したのでした。
ティアは勇者を死なせた罪とかで拷問や処刑にあってもおかしくないところですが、息子の意思を尊重し、ティアを守ることを決めたこの王様は人格者ですね。
そして突然現れるレッサードラゴン。ティアが魔法で一撃で倒してしまいます。余裕かと思いきや倒れてしまうティア。なんとその体には黒い痣が広がっていました。
魔王の領域で全員で生き残るためにエルフの奥義を使ったことを語るティア。それは寿命を対価に精霊魔法を爆発的に高める技でした。
もうティアには寿命が残されていないことを聞かされます。
ティアの魔力に気づいた魔獣が押し寄せてきます。ティアを守るために魔獣を撃退するエド。血刀錬成とかいう大暮維人版アララギさんみたいな技を使ってます。お前は吸血鬼か!
(奇跡でもなんでもいいもしも今の俺があの頃に戻れるなら)
「奇跡?そう言えば・・・たしか貰ったばっかりのスキルがあったな」
(あの追放スキルだったらもう一回最初から全部やり直せないか?)
ここで1巻が終わります。
最後、エドが何やら100回目の異世界から戻った際に手に入れた追放スキルで最初からやり直せるんじゃないかと思い立ったようです。一回使い切りの能力ということから過去に戻る能力があるのかな?タイトルにも2周目無双ってあるし。
まとめ
漫画1巻を読んだ感想はめちゃくちゃ面白かった。作画もとてもキレイですし、何よりティアがめちゃくちゃ可愛くてすごく魅力的です。ティアが気に入ったら読むべきです!ぜったい!
また登場人物も1巻ではまだ描写が少ないのですがみんないい人っぽいんですよね。緑色のカビが生えたみかんのように性根が腐った嫌な奴が今のところいなさそう。
勇者パーティ追放モノの作品って下衆でウジ虫の方がまだ存在意義がありそうなクズ野郎がいたりするんですが、この作品にはそんな人の形をした豚肉がいないのでストレスなく読み進めることができます。
2巻はいったいどんな展開になっていくのか、楽しみですね!
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