Blenderでのモデリング作業で特に複雑なモデルになると特定のパーツを選択するだけでも一苦労・・・なんてことありませんか?ループ選択やボックス選択を駆使しても思い通りの範囲を選択できずイライラすることもありますよね。
そこで今回は「シームをマーク(Mark Seam)」機能を使ったテクニックを紹介します。この機能を使えば複雑なキャラクターモデリングの耳や指といったパーツも一瞬で選択できるようになりますよ。
シームをマーク(Mark Seam)を使った選択テクニック
例題としてキャラクターモデリングで「耳」をシームをマーク(Mark Seam)を使って選択していきます。
1.エッジ選択モードに切り替える
編集モード(Tabキー)に入り、キーボード「2」キーで「エッジ選択モード」に切り替えます。
2.耳の付け根にシームをマーク(Mark Seam)を設定
耳と頭部の境界となるエッジをAltキーやShiftキーを押しながら選択し、耳の付け根を選択します。

選択したら「ctrl + E」キーでエッジメニューを開き「シームをマーク(Mark Seam)」を選択します。

シームをマーク(Mark Seam)が設定されると、選択したエッジが赤色に変わります。これで耳と頭部の間に境界ができました。

3.面選択モードで耳を選択する
次にキーボード「3」キーで「面選択モード」に切り替えます。耳のどの面でもいいのでどこか一箇所をクリックして選択します。

4.ショートカット「ctrl + L」を押す
面を一つ選択した状態でショートカット「ctrl + L」を押します。するとシームをマーク(Mark Seam)で設定した境界線を境に耳の部分だけが選択されました。

シームをマーク(Mark Seam)とは?その役割と活用方法
シームをマーク(Mark Seam)機能の役割は以下の2つです。
1.UV展開の境界線を定義する
マークをシーム(Mark Seam)の最も主要な用途です。3Dモデルにテクスチャを貼り付けるためにはまず3Dモデルを2Dの平面に展開する作業が必要です。この展開作業を「UV展開」といいます。
シームをマーク(Mark Seam)はこのUV展開の際にどのエッジでモデルを切断して展開するかを指示します。例えるなら段ボールを平らな一枚の紙に戻すときに、どこで箱を切り開くかを決める「ハサミを入れる線」のようなものです。
適切な位置にMark Seamを設定することで、テクスチャが歪まずきれいに貼り付けられるようになります。
2.選択範囲の境界として利用する
今回のブログ記事で紹介したテクニックです。Mark Seamで区切られた範囲は、Blenderが自動的に「一つのまとまり」として認識します。
これを利用して『面選択モード』でシームをマーク(Mark Seam)した内側のいずれかの要素を一つ選択し、その状態でショートカット「ctrl + L」を押すと区切られた領域全体を一度に選択することができます。
これにより、複雑な形状のモデルでも目的のパーツを素早く正確に選択することが可能になり作業効率が向上します。